マグロ最前線 うおまるコラム/生まぐろを冷凍したいが・・・

生マグロを冷凍したいが…???

店頭先でお客様に 「生マグロ」を冷凍しても大丈夫・・・?
また購入した生マグロを何気なく冷凍するお客様もいらっしゃいますが・・・?

「生マグロ」は基本的には、"生"で食べるのがベストです。しかしどうしても食べきれない、また後日食べたいなど冷凍せざるを得ない場合もあります。その冷凍したマグロを再度解凍し、完全とはいかないが元の「生マグロ」の品質に近づけるポイントがいくつがあります。もちろん店頭で解凍されたマグロを再冷凍するのはダメですよ。

■よく家庭で冷凍した「生マグロ」を解凍するとおいしくないと感じたことはない・・・?

解凍した時に「ドリップが多い」「味が落ちていた」、食感が「イマイチ」「パサパサ」「舌触りが悪い」などよく聞きますよね。

■これは、家庭用の冷凍室と因果関係がある???

家庭用の冷凍庫は約−18℃です。この温度は、食品の保存や品質を維持するには適した温度ではあるが、生マグロを冷凍するには高すぎる温度であります。これを「緩慢冷凍」「ゆっくり冷凍」といい、ゆっくりとマグロが凍結することになるので細胞が破壊されやすい。そして長時間かかって温度が下がるのでその間に品質の劣化もみられます。
ゆっくり冷凍することで、細胞の間の水分が大きな粒となって凍り、周りの細胞を破壊します。その破壊された細胞から流出するのがドリップ(汁)なのです。このドリップの中には旨み成分はいっぱい詰まっています。

■おいしく食べるには、細胞の破壊を防ぐ! ではどのように・・・?

マグロを急速に凍らせる。つまり−1℃〜−5℃【(最大氷結結晶成帯)→水分の80%〜90%が凍る温度】を急速に下げることが重要です。細胞を破壊させないために、マグロの温度を−1℃〜−5℃を早く通過させること。そうすると氷の結晶が大きくなるのを防ぐことができます。つまり氷の結晶を小さくし、ドリップ(汁)を最小限に抑えることです。

■それでは、家庭用の冷凍庫でもできるのでしょうか?

早く凍らせるにはアルミ、ステンレスなどの金属製トレイ(熱伝導率の良い)に重ねず並べて置き、その上で凍られる。そうすることで、細胞を極力破壊させないで急速冷凍が可能になります。発砲スチロールなどは、断熱効果が高いのでだめですよ。

  1. マグロのブロックはなるべく小さく、薄く切る。その方が早く冷凍できる。つまり−1℃〜−5℃(最大氷結結晶成帯)を早く通過する。
  2. ラップや袋などで包み空気に触れさせないこと。マグロが乾燥したり、冷凍やけを起こします。
  3. マグロの冷凍中は、絶対に冷凍庫は開けない。
  4. また保存している期間(約7日〜10日)も扉の開閉は最低限の抑えること。

そして解凍する時は、塩水で解凍する。

解凍時のドリップ(イノシン酸の旨み成分・カルシウムなどの栄養分)を最小限に留めるかであります。
この濃度(3%)だと、浸透圧の関係によりマグロと塩水の間に水分の出入りが無くなりドリップの流出が抑えられる。

以上を守ればある程度、元の「生マグロ」の品質に近づけるのではないでしょうか。

お問い合わせメール魚丸商店

2002.12.9

 

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